Personal thoughts

音楽とかの感想を書いたりするブログ。

要訳すると「ZORN ミニアルバム「925」収録曲「LOST」を聴いて欲しい」って話

Zornの今一番新しいミニアルバム「925」で一番好きだった曲がMVになってた。

 

葛飾区は自殺の名所、新小岩をホームタウンとする彼は、ラッパーに良くある複雑な家庭環境で育ち、10代には少年院に入るなど、ある意味ラッパーらしい時間を過ごす。
その後、ZONE THE DARKNESS名義で働きながらMCバトル大会にも出ながら曲を書き続ける。

その時に書かれたのが「奮エテ眠レ」
そのリリックは固く韻を踏みながらも熱を帯び、内向的で鬱々とした感情を吐露するような、リリックに胸が奮えた。


その後「ロンリー論理」「Dark Side」などの名盤をリリースした後、
般若とSHINGO☆西成の東西を代表するMC2人に続き第三の男として昭和レコードに移る。
そこで書かれたのは、家庭を持ち、ある程度名が売れて来た当時も働きながら曲を書く自らをリリックに落とし込んだ「My Life」。
複雑な家庭と不良少年だった彼には遠すぎた“普通の生活”を手に入れ、その何気ない日々を綴った名曲であった。

その後、段々と知名度は上がり、ヒップホップ好きには知れたアーティストとなり、NORIKIYO、AKLOなどといった有名なMC達とコラボしたりと精力的に活動していく。


そして、2019年に昭和レコード脱退、その後地元の仲間達とレーベルを立ち上げ翌年に武道館ライブも成功させ、その後出した「新小岩」でKREVA、MACCHO、ANARCHY、ILL-BOSSTINOなど名だたるMC達とコラボし、今年に入り、横アリでのライブも決定。

 

順風満帆、成功したアーティストの1人となった彼の新しい曲の詰まったミニアルバムの一発目の曲。
そこに書かれていたのは「成功の喜び」ではなく「成功によって大切な物が溢れ落ちそうになっている様子」だった。

 

たったの1分55秒、その中に詰まっている彼の生々しい「痛み」。
そしてそれでも「曲を書き続けたいという情熱」
その二つが短い時間に詰まっている名曲だと俺は感じた。

もしよろしければ皆さまも一回聴いていただきたい。
そして感じていただきたい。


元不良少年で職人で夫で三児の父親でラッパーである今の彼の痛みの作文を。

 

https://youtu.be/nVyHlfsiVm4